
こんにちは。映画探偵.cyouへようこそ。
話題作のプーあくまのくまさんが気になっているけれど、ネット上でひどいという評価を目にして見るのを迷っている方は多いのではないでしょうか。
確かにラジー賞を受賞するほど酷評された作品ですが、逆にどこがつまらないのか、あるいは怖いというよりグロいだけなのかと興味をそそられる部分もあります。
この記事ではディズニーの著作権との関係や、そしてまさかの続編であるプー2での改善点まで、ネタバレを交えつつ詳しく掘り下げていきます。

映画『プー あくまのくまさん』
こんな人におすすめ
- B級ホラーやスラッシャー映画特有の、粗削りな脚本や突っ込みどころ満載な展開を笑って楽しめる方
- 恐怖演出としての「怖さ」よりも、直接的な残酷描写やグロテスクな表現への耐性がある方
- 「あの愛らしいプーさんが殺人鬼に?」という、著作権切れによって生まれた異色の設定そのものをネタとして確認したい方
おすすめできない人
- ディズニーアニメ版の「くまのプーさん」の温かい世界観や思い出を大切にしたく、イメージを壊されたくない方
- 物語の整合性や深い人間ドラマ、洗練された伏線回収といった「映画としての完成度」を重視する方
- 痛々しい暴力描写や流血シーンが生理的に苦手で、心臓に悪い映像を避けたい方
🎥 A.A.ミルンの児童小説がパブリックドメインになったことで実現した、まさかのスラッシャーホラー作品です。
クリストファー・ロビンに置き去りにされたプーとピグレットが野生化し、人間への復讐に走るという衝撃的な設定が描かれています。
純粋な恐怖よりも残酷さとインパクトが際立つ、見る人を選ぶ賛否両論の怪作と言えるでしょう。
作品情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 劇場公開日 | 2023年6月23日 |
| 監督 | リース・フレイク=ウォーターフィールド |
| 上映時間 | 84分 |
プーあくまのくまさんがひどいと言われる理由

この作品が話題になったのは、「あのプーさんが殺人鬼に?」というインパクトのおかげですが、実際に蓋を開けてみると世界中でため息が漏れました。
ここでは、具体的にどのような点が観客を失望させ、なぜこれほどまでに低評価が定着してしまったのか、客観的なデータと実際の映像面から掘り下げて解説します。
ラジー賞5冠の評価と感想まとめ

まず、この映画がどれほど客観的に「ひどい」と評価されているか、数字を見てみましょう。
映画批評サイトRotten Tomatoesでは、批評家スコアがまさかの3%を記録しました。
これは「ほぼ誰も褒めていない」に等しい数字です。
さらに、その年の最低映画を決める「ゴールデンラズベリー賞(ラジー賞)」では、作品賞を含む5部門すべてを受賞するという不名誉な快挙(?)を成し遂げています。
日本の映画ファンが集まるFilmarksでも評価は平均2.4前後。
レビュー欄には「1800円払って見るものではない」「500円の配信でギリギリ許せるレベル」といった辛辣な感想が並びました。
私自身も拝見しましたが、正直なところ「出オチ感」は否めませんでした。
予告編のインパクトがピークで、本編はそれを超えてこないというのが大方の感想です。
ここが評価の分かれ目
- 海外・国内ともに記録的な低スコア
- 「映画館で見る価値なし」という厳しい声が多数
- ただし、B級映画好きには「ネタ」として愛される側面も
つまらない脚本とネタバレの真相
「ひどい」と言われる最大の要因は、脚本の雑さにあります。
「プーさんが人間を襲う」というアイデアだけで走り出してしまったためか、物語の構成が非常に薄いです。
本来なら、なぜプーが変わってしまったのか、クリストファー・ロビンとの確執はどうなるのかといったドラマが期待されるところですが、
そのあたりは冒頭のアニメーションでさっと説明されるだけで終わってしまいます。
登場人物たちの行動原理も謎だらけです。
ホラー映画特有の「死亡フラグ」を立てるためだけに存在するようなキャラクターばかりで、感情移入する間もなく次々と退場していきます。
特に中盤、何の罪もない女性たちが襲われるシーンが延々と続きますが、そこに物語上の必然性が感じられないため、
恐怖よりも「退屈」を感じてしまう人が多いようです。
怖いというよりグロいだけの演出
「ホラー映画だから怖いのは当たり前」と思うかもしれませんが、この作品の場合は質が少し違います。
「ゾッとする怖さ」や「心理的な恐怖」はほとんどありません。その代わりに強調されているのが、直接的な痛みや出血を伴うグロテスクな描写です。
低予算映画によくある手法ですが、特殊メイクやセットの粗さを隠すために画面全体が非常に暗く作られています。
その暗闇の中で、車で頭を轢いたり、ハンマーで殴打したりといった暴力シーンが繰り返されます。
カメラの手ブレも激しく、「何が起きているのかよく見えないけれど、とにかく痛そう」というストレスが溜まる演出になっています。
閲覧注意ポイント
ホラーは平気でも、スプラッター(流血・切断)が苦手な方は回避推奨です。物語の怖さより、生理的な嫌悪感を煽るタイプの映像が続きます。
ディズニーの著作権と関係ある?

ここが一番の疑問点かと思います。「ディズニーに怒られないの?」という点ですが、結論から言うと法的には問題ありません。
A.A.ミルンの原作児童小説『Winnie-the-Pooh』が1926年に出版され、
2022年に著作権保護期間が終了してパブリックドメイン(公有財産)になったため、誰でもプーさんを題材にした作品を作れるようになったのです。
ただし、ここで重要な落とし穴があります。
私たちがよく知っている「赤いシャツを着た可愛いプーさん」のデザインは、ディズニー社が独自に作ったものであり、現在もディズニーが権利を持っています。
そのため、この映画のプーは赤いシャツを着ることができません。
結果として、木こりのような服を着た、ただの「黄色い熊のマスクを被ったおじさん」のようなビジュアルになってしまったわけです。
ティガーがいない理由
第1作目に人気キャラのティガーが登場しないのは、ティガーの初登場が原作の続刊(1928年)で、映画制作時点ではまだ著作権が切れていなかったからです(これは続編で解消されます)。
プーあくまのくまさんはひどいのに続編あり
ここまで酷評されているにもかかわらず、驚くことに続編『プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち』が公開されています。
実は1作目が超低予算(約1000万円)で作られたにもかかわらず、世界的な話題性だけで製作費の数十倍もの利益を叩き出したためです。
そしてさらに驚くべきは、その儲けたお金をつぎ込んだ続編のクオリティです。
続編プー2のあらすじと改善点

続編を見て私が一番驚いたのは、「1作目のひどさを公式が認めてしまった」ことです。
なんと『プー2』の世界では、私たちが観た前作の映画は「100エーカーの森の惨劇を元にして作られた、低予算のチープなB級映画だった」というメタフィクション設定になっているのです。
これにより、前作で批判された「ゴムマスク感丸出しの顔」や「棒読み演技」はすべて「劇中劇の出来が悪かったから」という理由で帳消しにされました。
その上で、今回は予算が5倍以上に増え、特殊メイクもプロ仕様に進化。
プーの顔も表情豊かに動き、クリーチャーとしての不気味さが格段に増しています。
| 要素 | 1作目 | 2作目(続編) |
|---|---|---|
| 評価 | 酷評の嵐(RT 3%) | 評価持ち直し(RT 50%前後) |
| 顔の造形 | 動かないゴムマスク | 表情が動く特殊メイク |
| 設定 | ただの殺人鬼 | 悲しい誕生秘話とミステリー |
映画のラストと結末はどうなる?
1作目のラストは、クリストファー・ロビンが逃げ延びるものの、プーたちの凶行は止まらない…という、
いかにも「俺たちの戦いはこれからだ」的な投げっぱなしエンドでした。
しかし、2作目では物語がより深く掘り下げられます。
ネタバレを最小限に留めますが、続編ではプーたちがなぜこのような姿になったのかという「誕生の秘密」が明かされます。
単なるモンスターではなく、かつての友人クリストファー・ロビンとの関係性や、実験による悲劇的な背景が描かれることで、物語に「悲哀」という深みが生まれました。
ラストシーンも、今後のさらなる展開を予感させる壮大なものになっています。
酷評でも見るべき人の特徴とは
ここまで「ひどい」理由を並べてきましたが、それでもこの映画を見る価値がある人は確実に存在します。
それは、映画に「完成度」ではなく「話のネタ」を求めている人です。
- B級ホラー映画やスラッシャー映画の「お約束」を楽しめる人
- 「これひどすぎ!」と画面に向かってツッコミを入れたい人
- 著作権ギリギリを攻める製作陣の心意気を確認したい人
- 84分という短尺で、サクッと時間を潰したい人
逆に、「感動的なストーリー」や「洗練された恐怖」を求めている人は、間違いなく回避すべきです。
自分の視聴スタンスに合わせて判断することをおすすめします。
プーあくまのくまさんはひどいのか:まとめ

結論として、「プー あくまのくまさん」は、一般的な映画の基準で言えば間違いなく「ひどい」作品です。
脚本、演出、造形のすべてにおいて粗が目立ちます。
しかし、その「ひどさ」こそがこの映画のアイデンティティであり、世界中で話題になった理由でもあります。
著作権パブリックドメイン化という歴史的なタイミングで生まれた、ある種の「事故」のような作品。
配信などで手軽に見られるようになった今、怖いもの見たさで再生ボタンを押してみるのも、映画ファンとしての一興かもしれません。
ただし、くれぐれも期待値を極限まで下げてからご覧くださいね。
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