きみの色がつまらないは本当？魅力と感想を徹底解説

映画「きみの色」に対して、「つまらない」という感想を見かけることがあります。

しかし、一方で熱心なファンがいるのも事実です。この作品は、繊細な感情表現や独特の雰囲気が特徴であり、その魅力が伝わりにくいと感じる方もいるかもしれません。

この記事では、「きみの色 つまらない」というキーワードで検索されたあなたに向けて、本作がなぜそう評価されることがあるのか、そして本当に面白い点はないのかを多角的に掘り下げていきます。

あらすじやネタバレに触れながら、物語の核となる主人公トツ子の人物像や、主要キャストの演技にも注目します。

また、作品全体を流れる「気まずい」と表現される空気感の正体や、興行収入が示す客観的な評価、心に残る名言も紹介します。

さらに、制作会社や京アニ作品との関連性といった制作背景を知ることで、感想も変わるかもしれません。

この記事を読めば、あなたが「きみの色」をどう感じるかの判断材料がきっと見つかります。

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この作品は、高校生たちの言葉にならない感情や心の揺らぎを、美しい色彩と音楽で繊細に描く青春物語です。
映像美や空気感、静かな感情表現を楽しめる人には特におすすめですが、はっきりとした起承転結や劇的な展開を求める人には向きません。

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作品情報

項目	詳細
劇場公開日	2024年8月30日
監督	山田尚子
上映時間	100分

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映画きみの色がつまらないと言われる理由とは？

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ネタバレありであらすじを徹底解説

映画『きみの色』は、人の感情が「色」として見える特殊な感覚を持つ高校3年生、日暮トツ子を主人公とした物語です。

物語のはじまり

キリスト教系の女子高に通うトツ子は、他人の感情の色は見えるものの、自分自身の「色」だけが見えません。

彼女は、同級生である作永きみが放つ美しい色に強く惹かれていました。しかしある日、きみは突然学校を辞めてしまいます。

きみの行方を捜すトツ子は、彼女が古書店で働いていることを見つけ、再会を果たします。

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バンド結成と深まる関係

その古書店で偶然出会ったのが、音楽好きの少年、影平ルイです。

トツ子がとっさについた「バンドメンバーを探している」という嘘がきっかけとなり、トツ子、きみ、ルイの3人でバンドを組むことになります。

彼らはルイが住む離島の古い教会を練習場所とし、音楽を通して少しずつ心を通わせていきます。

しかし、3人はそれぞれ誰にも言えない秘密を抱えていました。きみは学校を退学したことを祖母に打ち明けられず、ルイは医師である母親に音楽活動を隠していました。

そしてトツ子は、自分だけの色が見えないという孤独感を抱えています。クリスマスの夜、偶然にも教会で一晩を共に過ごすことになった3人は、互いの秘密を打ち明け、絆を深めていくのです。

物語のクライマックスと結末

物語のクライマックスは、学校の「聖バレンタイン祭」でのライブです。

3人はそれぞれの想いを込めた楽曲を披露し、少ない観客ながらも、彼らの家族や関係者の心に届く演奏を成功させます。

春になり、ルイは進学のため島を離れることになります。港で見送るきみは、抑えていた感情を振り絞るように、船に向かって「がんばれ」と叫びます。

それは、直接的な言葉ではないものの、彼女の秘めた想いが溢れ出した瞬間でした。

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主要キャストと豪華な声優陣

『きみの色』の魅力の一つに、キャラクターに命を吹き込む声優陣の存在があります。

主要な3人のキャラクターには、1600名を超えるオーディションから選ばれたフレッシュな若手俳優が起用されました。

キャラクター	声優	役どころ・特徴
日暮トツ子	鈴川紗由	本作の主人公。人が「色」として見える感覚を持つ高校3年生。
作永きみ	髙石あかり	トツ子が惹かれる、美しい色を放つと評される少女。
影平ルイ	木戸大聖	離島に住む音楽好きな少年。3人でバンドを組むことになる。

引用元：きみの色 公式

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若手とベテランが織りなす演技

主人公トツ子役の鈴川紗由さん、作永きみ役の髙石あかりさん、影平ルイ役の木戸大聖さんは、思春期特有の繊細さや揺らぎを見事に表現しています。

一方で、脇を固めるキャストには実力派の俳優・声優が名を連ねています。

3人を優しく見守るシスター日吉子役を新垣結衣さん、きみの祖母である作永紫乃役を戸田恵子さんが担当し、物語に深みと安定感を与えています。

さらに、トツ子のルームメイトである「森の三姉妹」にも、やす子さん、悠木碧さん、寿美菜子さんといった個性豊かなキャストが配役されており、主人公を取り巻く世界を彩り豊かにしています。

このように、若手とベテランのバランスが取れたキャスティングが、作品の世界観をより一層引き立てているのです。

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主人公トツ子のキャラクター造形

本作の視点人物である日暮トツ子は、物語のテーマを体現する非常に重要なキャラクターです。彼女は単に「人が色で見える」という特殊能力を持った主人公というだけではありません。

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内面の葛藤と成長

トツ子の最大の特徴は、他人の色は見えるのに、肝心の自分自身の色が見えないという点にあります。

これは、思春期に誰もが抱える「自分は何者なのか」というアイデンティティの揺らぎを象徴しています。

幼少期にバレエを途中で諦めてしまった経験も、彼女の自己肯定感の低さに影響を与えていると考えられます。

また、どこか掴みどころがなく、のんびりとした雰囲気を持つ彼女の姿は、映画『この世界の片隅に』の主人公すずを彷彿とさせるといった感想も見られます。

周りに合わせようとしながらも、自分だけの世界を持っている点が共通しているのかもしれません。

物語を通じて、きみやルイと関わり、音楽という自己表現の手段を得ることで、トツ子は徐々に自分自身と向き合っていきます。

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独特の気まずい空気感

例えば、本編開始から1時間16分頃の登場人物が抱える秘密を打ち明ける場面には、この気まずさが色濃く表れています。

きみの祖母は自分と同じ学生時代の制服を着ていることを喜んでいます。

そこへきみが退学した事実を打ち明けるのは非常に勇気がいる行為です。

しかしそれ以上に、祖母の期待を裏切ってしまったという罪悪感が、重たい気まずさを生んでいます。

同様に、医師である母親の跡を継ぐことを期待されているルイも、音楽活動を隠していました。

母親の期待というプレッシャーの中で、自分の本心を伝えることは、彼にとっても気まずい報告とならざるを得ません。

このように、言葉にしづらい真実を伝える際のためらいが、作品全体の独特な空気感を作り出しているのです。

面白いと感じる繊細な魅力

『きみの色』には、派手さはないものの、心に響く繊細な魅力が数多く存在します。本作を「面白い」と感じる人々は、主に以下の点に惹かれているようです。

圧倒的な映像美と色彩表現

まず挙げられるのが、淡いパステル調で描かれる絵画のような映像美です。

登場人物の感情や世界の雰囲気を「色」で表現する本作において、色彩は非常に重要な役割を果たしています。

光の表現や美しい背景美術など、どの瞬間を切り取っても絵になるような画面作りは、多くの観客を魅了しました。

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関係性の丁寧な描写

次に、登場人物たちの距離感の描き方です。

単純な恋愛や友情の物語に収まらない、憧れ、秘密の共有、ほのかな恋心といった様々な感情が入り混じる関係性を、言葉少なな演出で丁寧に描写しています。

あえてすべてを説明しないことで生まれる余白が、観る人の想像力を掻き立て、深い共感を呼びます。

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心に響く音楽

音楽も本作の大きな魅力です。牛尾憲輔さんが手掛ける劇伴は、映像の美しさと相まって、作品の叙情的な雰囲気を高めています。

また、クライマックスのライブシーンで披露される楽曲は、「反省文 ―善きもの美しきもの真実なるもの―」、「あるく」、 「水金地火木土天アーメン」物語の感動を最高潮に盛り上げます。

これらの要素は、大きな事件が起こるわけではない静かな物語の中で、静かに、しかし確かに観客の心を揺さぶるのです。

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「きみの色」がつまらないかは制作背景で変わる

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制作会社サイエンスSARUの特徴

本作のアニメーション制作を担当したのは、「サイエンスSARU」です。この制作会社を知ることは、作品のスタイルを理解する上で一つの鍵となります。

サイエンスSARUは、2013年に設立されたアニメーションスタジオで、『映像研には手を出すな！』や『犬王』といった作品で国内外から高い評価を得ています。

その最大の特徴は、自由で挑戦的な作風にあります。

Flashアニメーションを応用した、キャラクターが縦横無尽に動き回るダイナミックな表現や、既成概念にとらわれないユニークな発想が持ち味です。

山田尚子監督はインタビューの中で、サイエンスSARUのチームを「アイデアに溢れ、チャレンジを恐れない」と評しています。

監督自身の持ち味である繊細な心理描写や丁寧な日常の切り取りと、サイエンスSARUの持つ躍動感あふれるアニメーション哲学が融合したことが、『きみの色』の独特な映像表現を生み出したと言えるでしょう。

これまでの山田監督作品とは一味違った映像の質感が、本作の新鮮な魅力となっています。

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京アニ作品との作風の関連性

『きみの色』の感想の中には、「京アニ（京都アニメーション）作品のようだ」という声が見られます。これは、本作の監督である山田尚子監督の経歴と深く関係しています。

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山田尚子監督と京都アニメーション

山田監督は、かつて京都アニメーションに在籍し、『けいおん！』シリーズや『映画 聲の形』、『リズと青い鳥』など、数々の名作を手掛けてきました。

そのため、彼女の作品には、京都アニメーションで培われた演出スタイルが色濃く反映されています。

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引き継がれる作風

具体的には、以下のような点が挙げられます。

• 繊細な心理描写: 言葉ではなく、キャラクターの微細な仕草や視線、息遣いで感情を伝える丁寧な演出。
• 光と色彩へのこだわり: 柔らかな光の表現や、感情を映し出すような色彩設計。
• 音楽との親和性: 物語のテーマとして音楽を扱い、映像と音楽を高度にシンクロさせる手法。

ただし、注意点として、『きみの色』の制作会社はサイエンスSARUであり、京都アニメーションが直接制作に関わっているわけではありません。

あくまで「山田監督の作家性の中に、京アニ作品の系譜が感じられる」ということです。

この背景を理解すると、本作が持つ独特の雰囲気や映像美のルーツが見えてきて、より深く作品を味わうことができるはずです。

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物語のテーマを象徴する名言

『きみの色』には、登場人物たちの心情や作品全体のテーマを象徴する、心に残る言葉が散りばめられています。

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ニーバーの祈り

「神様、変えられないものを受け入れる心の平穏を与えて下さい。変えることのできるものを変える勇気を与えて下さい。そして、変えることのできるとできないものを見分ける賢さを与えて下さい。」

この祈りは、自分ではどうしようもない特性を抱えながら、自分たちの行動で変えられることに立ち向かおうとする3人の葛藤そのものを表しています。

物語全体を貫く哲学的なテーマと言えるでしょう。

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シスター日吉子の言葉

また、3人を優しく導くシスター日吉子の言葉も、本作の重要なメッセージを伝えています。

祖母に退学の嘘をついていたことを悔やむきみに対して、シスター日吉子は静かにこう語りかけます。

「私たちは何度でも歩きなおすことができるのです。」

この言葉は、過去の失敗や過ちに縛られる必要はなく、いつでも再出発できるという、作品全体を貫く赦しと希望のテーマを象徴しています。

トツ子やルイが抱える葛藤にも通じる、普遍的で温かいメッセージとして心に残ります。

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心の叫び

さらに、言葉そのものではありませんが、クライマックスできみがルイに向かって叫ぶ「がんばれ！」という声も名シーンです。

これまで感情を内に秘めてきた彼女が、想いを爆発させるこの叫びは、直接的な告白以上の強い感情を観客に伝えます。

これらの言葉は、登場人物たちの言葉にできない想いを代弁し、物語の核心に触れる重要な役割を果たしています。 

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興行収入から見る世間の評価

映画の評価を測る一つの指標として、興行収入があります。『きみの色』の最終的な興行収入は3億6,000万円とされています。

この数字をどう捉えるかは、比較対象によって見方が変わります。

監督・作品名	興行収入（概算）	備考
きみの色	3.6億円	山田尚子監督　　脚本：吉田玲子
映画 聲の形	23億円	山田尚子監督　　脚本：吉田玲子
映画けいおん！	19億円	山田尚子監督　　脚本：吉田玲子
リズと青い鳥	1億円未満	山田尚子監督　　脚本：吉田玲子

引用元：otocoto

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オリジナル作品としての評価

表を見るとわかる通り、山田尚子監督が手掛けた大ヒット原作もの（『聲の形』や『けいおん！』）と比較すると、控えめな数字に見えます。

一部では「興行的に失敗」という厳しい意見もありました。

しかし、本作が完全なオリジナル作品であることを考慮する必要があります。

原作の知名度に頼れないオリジナルアニメ映画でこの興行収入を記録したことは、一定の成功と見ることも可能です。

特に、より作家性の強い『リズと青い鳥』の興行収入を上回っている点は注目されます。

これらのことから、本作は爆発的な大ヒットではありませんでしたが、アート寄りな作風やテーマ性を支持する固定ファン層に深く刺さった作品である、と考えるのが妥当かもしれません。

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様々な視点からの感想まとめ

『きみの色』に対する感想は、称賛の声と、戸惑いや批判的な意見の両方が見られ、評価が大きく分かれる作品と言えます。

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ポジティブな感想

本作を高く評価する人々は、主に以下の点を挙げています。

• 映像と雰囲気: 「とにかく映像が美しい」「淡い色使いに癒される」「穏やかな世界観が好き」といった、アートワークや雰囲気を称賛する声が多数です。
• 繊細な描写: 「登場人物の距離感がリアル」「言葉にしない感情が伝わってくる」など、山田監督特有の繊細な演出を評価する意見が多く見られます。
• 音楽: 「音楽が素晴らしい」「ライブシーンで感動した」と、牛尾憲輔さんが手掛ける音楽を魅力として挙げる人も少なくありません。

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ネガティブな感想

一方で、「つまらない」「合わなかった」と感じた人々からは、以下のような指摘があります。

• 物語の起伏: 「大きな事件が起こらず退屈」「展開が淡々としている」など、ストーリーの起伏の少なさを物足りなく感じる意見です。
• キャラクターへの共感: 「登場人物の行動に共感しづらい」「悩みの動機が分かりにくい」といった、キャラクターの掘り下げ不足を指摘する声も見られます。
• 説明不足: あえて語らない演出が、一部の観客には「説明不足で物語に入り込めない」と映ってしまったようです。

このように、『きみの色』は観る人の感性や、映画に何を求めるかによって、その面白さが大きく変わる作品だと言えるでしょう。

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きみの色がつまらないかは感性で決まる

この記事では、映画『きみの色』が「つまらない」と言われる理由から、その背景にある魅力までを多角的に解説してきました。最後に、本記事の要点をまとめます。

• 『きみの色』は人の感情が色で見える少女トツ子の物語
• バンド活動を通して3人の高校生が心を通わせる青春群像劇
• 「つまらない」という感想の一因は静かで抑制された演出にある
• 本作の魅力は絵画のような美しい色彩と映像表現にある
• 主要キャストには若手俳優が起用されフレッシュな演技を見せる
• 新垣結衣さんなどベテラン声優が脇を固め物語に深みを与える
• 制作は『映像研』のサイエンスSARUが担当し躍動感を加えた
• 山田尚子監督の経歴から京アニ作品との作風の連続性が見られる
• 「ニーバーの祈り」が作品全体のテーマを象徴している
• 興行収入は約3.6億円でオリジナル作品としては健闘したと言える
• 評価は二極化しており観る人の感性によって面白さが変わる

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